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ぶどう畑

クロ・モンマルトル

ソール通りの柵の向こうに広がるクロ・モンマルトル。北向きの市営ぶどう畑で、現在も30品種のぶどうが育てられています。

編集・選定 Arthur

赤や黄色に色づくクロ・モンマルトルのブドウの葉と、その奥の建物。

パリの街角に広がるブドウ畑

クロ・モンマルトルは、モンマルトルの意外な表情に出会える場所です。ソール通りの建物に挟まれた市有地にブドウの列が続き、パリらしい街並みの途中で突然、栽培の風景が現れます。柵越しに眺めるだけでも、散歩の足が自然にゆるむはずです。

このブドウ畑は、写真映えする風景というだけではありません。住民が土地を開発から守ろうと行動し、1933年にブドウが植えられました。30品種の栽培から収穫、醸造、地域福祉へとつながる流れを知ると、小さな区画に息づく物語が柵の向こうへ大きく広がっていきます。

丘に守られてきた畑

最初に驚くのは、その大きさです。クロ・モンマルトルは広大な田園の農園をパリへ移した場所ではなく、丘の一角にすっきりと収まった小さなブドウ畑です。控えめな規模だからこそ、列や柵、高低差の一つ一つから、都市の中で栽培を続けてきた工夫が見えてきます。

開発から守られたブドウ畑

今日のクロにつながる歴史は1933年に始まります。住民たちは土地を開発から守るため、ここにブドウを植えました。農業に使うという選択は現実的であると同時に象徴的で、季節とともに更新される未来をこの場所に与えました。

翌1934年には最初の収穫祭が開かれます。植栽から地域の祝祭へすぐに歩みを進めた経緯を知ると、この場所が景観だけでなく、モンマルトルの地域史にも深く結び付いていることがわかります。祭りは、土地の未来を変えたばかりの計画から生まれたのです。

ソール通りに立ったら、ブドウの細部を見る前に当時の決断を想像してみてください。残っているのは手つかずの田園ではなく、住民の行動によって意識的に守られた空間です。

北向きの斜面で育つ30品種

市有地の総面積は2,038平方メートルで、そのうち1,730平方メートルが園芸面積として記録されています。柵で囲まれた北向きの区画には、30種類のブドウ品種が植えられています。数字は規模を知る手がかりですが、魅力は数字だけでは語れません。

モンマルトルの北向き斜面は、旅のポスターに描かれる陽光に満ちたブドウ園とは異なります。その対比も、この場所の個性です。列が斜面に沿う様子や、周囲の建物と共存する風景に目を向けてみてください。都市は背景ではなく、クロを形づくる一部になっています。

品種の多さも、均一な植栽にはない面白さを生みます。歩道から一本ずつ見分ける必要はありません。限られた面積の中で、これほどの多様性が育てられていることに注目してみましょう。

収穫から18区役所の地下貯蔵庫へ

ブドウがソール通りを離れた後も物語は続きます。収穫されたブドウは18区役所の地下貯蔵庫へ運ばれ、そこで亜硫酸塩を使わずにワインへと醸造されます。ブドウ畑と醸造場所は、一つの市の取り組みを支える二つの段階です。

ワインの収益は、モンマルトルおよび18区の祭事・社会福祉委員会(Comité des Fêtes et d’Action Sociale de Montmartre et du 18e)の社会福祉活動に充てられます。美しい景観を守るだけでなく、収穫が地域の活動へ還元されているのです。

全体をたどると、クロ・モンマルトルには驚くほど豊かな物語があります。住民が土地を守り、ブドウが根づき、収穫祭が始まり、果実は今も区内で醸造され、収益が福祉を支えています。この連続性が、小さな区画をモンマルトルでも特に意味深い、生きた場所にしています。

実用情報

ソール通り14番地を目印にしてください。入口は14番地から18番地の間と記録されています。パリ市は現在、内部への入場をガイド付き見学のみに限定しているため、一般の公園のように自由に入れる場所ではありません。

訪問直前にパリ市の公式施設ページを確認しましょう。見学条件は変わる可能性があります。ガイド見学に参加しない場合でも、道路から柵越しに畑の様子を眺められます。開催日時や料金、予約の要否については、必ず最新の公式案内に従ってください。

写真クレジット

Carl Campbell· CC BY-SA 2.0· Wikimedia Commons · サイズ調整済み。表示箇所によりトリミングが異なります。