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広場

テルトル広場

ほんの数分で横切れるテルトル広場には、何世紀もの歴史と、パリ市の許可を受けて屋外で制作する芸術家たちの営みが凝縮されています。

編集・選定 Arthur

テルトル広場のカフェテラスと石畳。その奥にサン・ピエール教会とサクレ・クール寺院の鐘楼。

画家たちの広場、その背景

テルトル広場を訪れる理由は、モンマルトルを象徴する風景を見るためだけではありません。画家や肖像画家が通行人の前で制作する様子は自由な集まりのように見えますが、広場にも芸術活動にも明確な歴史と仕組みがあります。それを知ると、並ぶイーゼルの見え方まで変わってきます。

魅力は、場所の小ささと記憶の長さの対比にあります。大きさはわずか38メートル×35メートル。それでも1672年の地図にすでに描かれ、その後、当時のモンマルトル自治体の道路網からパリの街路網へ編入され、廃止を計画する政令が出た後も存続しました。これほど小さな空間に街の歴史が重なる場所は、丘の上でも特別です。

歴史と絵画が交わる広場

テルトル広場は、一見すると「芸術の街モンマルトル」をそのまま絵にしたような場所です。けれども、少し立ち止まって見渡せば、もっと興味深い物語が浮かび上がります。ここは巨大な記念広場でも、自然発生的に人が集まっただけの場所でもありません。数世紀の都市史と、細かく定められた芸術家の制度が重なる、小さな公共空間なのです。

小さな広場に重なる長い歴史

まず意識したいのは、その大きさです。テルトル広場はカルヴェール通りの突き当たりとノルヴァン通りの間にあり、38メートル×35メートルしかありません。数分で通り抜けられますが、急いで横切ると、このわずかな範囲に残るモンマルトルの時間を見落としてしまいます。

1672年の地図には、すでにこの場所に広場が描かれています。もちろん、当時の景色が現在と同じだったという意味ではありません。今日よく知られるイメージよりはるか前から、この場所が丘の地理に刻まれていたことを示す記録です。名称もモンマルトルの高台に位置することに由来し、広場のアイデンティティーは丘そのものと結びついています。

モンマルトルからパリへ、そして廃止計画

テルトル広場は、パリ編入前にはモンマルトル自治体の道路網に属していました。1863年5月23日の政令によりパリの街路網へ編入され、行政上の立場は変わっても、小さな広場は丘の上に残りました。

しかし、その存続が約束されていたわけではありません。わずか4年後の1867年には、広場の廃止を予定する政令が出されています。今ではモンマルトルと強く結びつくこの場所が、街の改造の中で消えていたかもしれない。そう考えると、目の前の景色にも別の重みが加わります。

現在、広場は「ヴュー・モンマルトル」と呼ばれる区域に含まれています。単なる絵になる立ち寄り先ではなく、その大きさ、長い歴史、そして存続の経緯までが、訪れる人の歩く歴史的な街並みの一部なのです。

「カレ・オ・ザルティスト」の仕組み

芸術家たちの活動は、慣習だけで続いているわけではありません。「カレ・オ・ザルティスト(Carré aux artistes)」では、パリ市の許可を受けた画家、肖像画家、風刺画家、シルエット作家が屋外で制作します。市の案内にあるように、絵画や素描、肖像画、風刺画、切り絵によるシルエットが通行人の目の前で制作されます。

その光景の背後には、きちんとした制度があります。各芸術家は番号付きの区画をもう一人の芸術家と交代で使用します。許可期間は7年で、応募者は芸術活動の経験と技術力に基づいて審査されます。広場が屋外アトリエのように感じられながら、訪問者には見えにくいルールによって成り立っている理由がここにあります。

この仕組みを知ったうえで広場を一周すると、テルトル広場は単純な「ボヘミアンなモンマルトル」の再現には見えなくなります。何世紀も残る公共空間と、現在も続く市の芸術制度が、同じ数十メートルを共有しているからこそ面白いのです。作品が形になる様子を眺めたあと、広場の輪郭にも目を向けてみてください。歴史と現在が一つの景色として見えてきます。

実用情報

最初に見えるイーゼルの前だけで立ち止まらず、38メートル×35メートルの広場を一周してみましょう。カルヴェール通り側からノルヴァン通りへ広場の縁をたどると、場所の小ささと、「カレ・オ・ザルティスト」が公共空間の中にどう組み込まれているかがよく分かります。

完成作品だけでなく、絵画、肖像画、風刺画、切り絵によるシルエットといった異なる制作にも注目してみてください。テルトル広場は入口や順路のある施設ではなく公共の広場なので、「ヴュー・モンマルトル」を歩く散策の一部として自由に歩けます。

写真クレジット

Jean-Paul Corlin· CC BY-SA 4.0· Wikimedia Commons · サイズ調整済み。表示箇所によりトリミングが異なります。